渓埜胡保の戯言

語彙力のない主観と偏見に満ちた自己満足なブログなので期待しないでください…

またも起きた不祥事

 

今回起きた事態について自分なりに率直に感じた事を纏めます。

 

※24.02.26追記

 

⇩過去の大相撲記事⇩

w811b8y198stx8.hatenablog.com

 

 

事の発端は2月21日に各社が報じたこの記事からだった

大相撲の幕内・北青鵬(22=宮城野部屋)が複数の兄弟弟子に暴行を働いていたことが21日、関係者への取材で分かった。日本相撲協会は23日に臨時理事会を開き、処分を決める。

引用元記事:幕内・北青鵬 複数の兄弟弟子に暴行「素直に反省している」23日の臨時理事会で宮城野親方含め処分決定― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

師匠の宮城野親方に対する監督責任が問われ、コンプラ委が2階級降格と減俸の処分とする案をまとめたことも協会関係者の話で分かった。2階級降格が決まれば、同親方は委員から一番下の階級となる年寄に落ちる(再雇用者の参与を除く)ことになる。関係者によると、宮城野親方は弟子の暴力を把握していなかったとし、北青鵬は引退勧告を受け入れる方向という。

引用元記事:現役最長身204センチ・北青鵬、後輩力士に暴力で引退勧告へ「反省」宮城野親方2階級降格&減俸も - スポーツ報知

人気のある幕内力士による暴行沙汰の発覚。当然許されてはいけない行為であるが、ここまでの厳罰を強いる必要があるのかと思ったのと同時に、どんな事を犯せばこんな厳罰にするという話になるのか、と思うところであった。

 

そして23日に行われた臨時理事会に於いて両名に処分が下された。

日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、後輩力士への暴行行為が発覚した幕内・北青鵬(22=宮城野部屋)に引退勧告、監督義務違反で宮城野親方(元横綱・白鵬)に2階級降格と報酬減額処分を決めた。

引用元記事:元白鵬の宮城野親方が2階級降格 弟子の暴行問題 北青鵬は引退へ 部屋は伊勢ケ浜一門で預かり― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

事前に各社が報じていた通り北青鵬は引退勧告、師匠の宮城野は年寄に2階級降格となった。

 

そして理事会後に協会が発表した資料で北青鵬が犯した暴行沙汰の内容が明かされた。

理事会後に、同協会が発表資料で「北青鵬の暴行は、A及びBが部屋の仕事で不始末をしたことに対する制裁という名目で行われていたほか、A及びBが痛がる反応を見て面白がっていたとも認められ、暴行の動機の面においても卑劣極まりない」と断罪した。

調査によると、以下のような行為があったという。

 

ア 令和4年7月の名古屋場所中、愛知県豊田市内の宮城野部屋宿舎において、Bに対し、顔面への平手打ち、突き飛ばし等の複数回にわたる暴行を加え、肘に怪我を負わせたほか、ほうきの柄で臀部を1回打つ暴行を加えたこと

 

イ 同年7月の名古屋場所中、前記宿舎において、Aに対し、ほうきの柄で臀部を1回打ったほか、同年10月21日、東京都墨田区内の宮城野部屋個室において、まわしで作った丸太様の棒で臀部を1回打つ暴行を加えたこと

 

ウ 令和5年11月の九州場所中、福岡県糟屋郡篠栗町内の宮城野部屋宿舎において、A所有の財布に瞬間接着剤を塗布し、損壊したほか、Bに対し、右手手指に瞬間接着剤を塗布する暴行を加えたこと

 

エ 令和4年8月頃以降、宮城野部屋又は地方場所中の宿舎等において、A及びBに対し、次の<1>及び<2>のいずれかの態様により、週に2~3回程度の頻度で繰り返し暴行を加えた

こと

<1>顔面、背中及び睾丸への平手打ち等の暴行

<2>ほうきの柄又はまわしで作った丸太様の棒で臀部を打つ暴行、殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎をAやBの体へ近付ける暴行

引用元記事:引退の北青鵬に「卑劣極まりない」「背中及び睾丸への平手打ち」「財布に瞬間接着剤を塗布」 - 大相撲 : 日刊スポーツ

仮に不祥事を起こしても最大限の猛省を求めたい、というのが自分の考えではある。ただ彼が犯した内容はとてもではないがそんな事が望めそうに無いと感じるくらいに酷いものである。一部報道では入門前から素行に問題があったとされている。今回の処分については全く以って当然のものであり、解雇にならず引退勧告というせめてもの温情をかけられただけでもある種の幸運なのではと感じる。正直に言って彼が犯した非道な行為は人として余りにもゴミである、もう金輪際彼の名を聞きたくないと思うくらいに同じ人間として忌避感を強く覚える。

 

また、宮城野部屋については師匠の監督責任の欠如を重く見て、4月以降より所属する伊勢ヶ濱一門の預かりとする方向で検討、来月からはじまる春場所は一門内の親方が師匠代行に就く事となった。この決定についての協会の発表は以下の通りである。

「宮城野については、師匠としての素養、自覚が大きく欠如していることが理事会で確認されたため、その対処として、三月場所は、所属する伊勢ケ濱一門で宮城野部屋の師匠代行を任命し、師匠代行が宮城野部屋の監督を行うこと、4月以降は、伊勢ケ濱一門が宮城野部屋を預かり、師匠・親方としての指導・教育を行う(期間は未定)ことを、伊勢ケ濱一門と協会執行部とで検討、三月場所後の理事会で報告することを決定し、その旨、宮城野に通知した」(原文ママ)

引用元記事:親方には任せられず…宮城野部屋4月以降は所属の伊勢ケ浜一門が預かることを検討 - 大相撲 : 日刊スポーツ

宮城野の監督責任については以下の通り

「宮城野は、令和4年七月場所中、北青鵬のBに対する暴行を把握しながら、当事者であるBと北青鵬に事情を直接確認もせず、Bの被害写真の確認すらしなかった。また、北青鵬に注意もしておらず、先代親方にさえ直接報告をしなかった。この機に、宮城野が、Bと北青鵬に事情を直接確認し、北青鵬に注意をしていれば、BのみならずAに対する暴行もより早期に把握することができ、北青鵬の暴行が常態化することも阻止できた可能性がある。北青鵬に対する監督と協会への報告を怠った結果、被害者2名に対する一年を超える常態化した暴力被害を生じさせたもので宮城野の責任は重大である」(原文ママ)

引用元記事:元白鵬は暴行を「確認せず」「報告せず」「注意せず」宮城野親方に日本相撲協会が厳罰 - 大相撲 : 日刊スポーツ

宮城野が適切に対処しいれば暴行沙汰の常態化は避けられた、それができなかった監督責任を厳しく批判している。

報道されている記事を読む限りは宮城野の監督責任も相当に重大であり、降格や部屋預かりといった処分を受けるのも当然であると感じる。ただこれが後々になって部屋の解体や宮城野の退職へと繋がってしまうの可能性を孕んでいるのでは、と自分は危惧している。勿論犯した罪に対して正当な処分は受けなければいけない、とはいえこれが果たして解体や退職をするまで相当に重大な罪であるかどうか。これは人によって大きく意見が分かれるであろうが、自分としては監督責任が欠如していた事は重大とはいえ直接事を働いた訳では無いから、その責任は問われても解体や退職は行き過ぎなのではないだろうか、と感じる。なので宮城野には協会に残り部屋を存続させてしっかりと猛省を促して欲しい、と願うところである。

 

今回の処分はあくまでも協会としてのものであって協会としてはひとまずはこれで決着という形になるだろうが、あくまで協会として処分を下しただけで社会的な制裁や刑事民事でも処分を受けるかどうかはまた別問題である。刑事民事は被害者側が基本的に告訴しなければ動かないし、協会の処分で納得するならそれ以上は問われないであろう。どっちしても今回犯した罪と責任は重く受け止めなければならないし、協会としても暴行との決別路線を示しながらまたも起きたこの事態の重大さを深く認識しないといけない。

 

以上です

 

 

 

※24.02.26追記

春場所の番付が発表された26日に、宮城野部屋の師匠代行を大島部屋付きの玉垣(元小結 栃乃花)が務める事になった。これにより宮城野は師匠の立場から外れる事となった。

元幕内北青鵬による暴力行為に対する監督責任を問われ、来月の春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)は宮城野親方(元横綱白鵬)が部屋の師匠の立場を外れる。同一門で師匠代行を立てることになっていた。

引用元記事:宮城野部屋の師匠代行に同じ伊勢ケ浜一門の玉垣親方を任命へ 元横綱白鵬の親方が師匠立場外れる - 大相撲 : 日刊スポーツ

協会及び一門のこの決定に対しては特に異を唱えるつもりはないし、そう決まった以上は不肖好角家としてはそれを受け入れるのみである。ただコンプライアンス委員会で協会から退職或いは解雇させようという意見も出ていたという中で、協会は宮城野を年寄に降格させて協会に留まらせた。勿論それだけで全てが解決する事では無いだろうし、監督責任の欠如が招いた事態はこの先長い時間をかけて猛省して贖罪していくしかない。そして協会に留まらせた以上は宮城野に対して更生の道と可能性をしっかりと明示しなければならないと自分は思っている。今後の行動次第ではあるものの、多くの人から更生したと見られながらも協会がそれ相応の対価を示さなければ、長きに渡り全く意味を為さない贖罪を続ける事になるし、それが原因になって退職でもしたら協会にとって大きな損失になりかねない。宮城野を留まらせた責任を協会は最後まで果たして、その贖罪と更生に宮城野も協会も真正面から向き合わなければいけないのではないだろうか、そうでなければ真の意味で贖罪と更生は果たされない。

あくまで自分自身の考えや想いとしては今回の弟子の常習的且つ悪質な暴行を阻止できなかった宮城野の監督責任の欠如は重く安易に赦されるものでは無い、そういう点では宮城野の肩を全面的に持つつもりはない。だが先にも述べた通りに弟子と共に協会から離れさせるという処罰の選択もできた中で、最終的に協会は降格を処罰として協会に留まらせた。現役時代の言動もあって好印象を持たない人も多いであろうが、だが大相撲史に残る記録を数多く打ち立てた大横綱を安易に切り捨ててこれから先の道を閉ざすような事は決してあってはならない、少なくとも協会に留まらせた以上はそうである。今後長い間一生を賭けて宮城野は自身が犯した罪と向き合い続けなければならないし、同様に協会も宮城野が贖罪を更生を果たしているかを最後まで見守る義務がある。宮城野にとっても協会にとっても、何より部屋の所属力士にとってもどうかこの先最良の結果になる事を切に願いたいところである。

 

以上です