渓埜胡保の戯言

語彙力のない主観と偏見に満ちた自己満足なブログなので期待しないでください…

【感想】まんがタイムきららフォワード 2024年2月号

 

ここ最近のフォワードは特別編を挟む作品が多くなっている印象である。今月号でも掲載された連載16作のうち特別編が3本と、毎号何かしらの作品が特別編をやっているのではないかと感じるくらいに載っている気がする。それが展開や尺の調整的な意味合いでの掲載なのか、それとも他の意図によるかは分からないが、自分としてはこうも特別編が多くなるのもなんだかなぁと思ってしまうところである。

それはそれとして今月号もいろいろ語ります。

 

過去の感想記事↓↓↓↓↓

w811b8y198stx8.hatenablog.com

 

 

 

今月号情報

2023年12月22日発売
価格:750円(税込)

◎巻頭カラー

betock『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』※次号休載

◎表紙

おみなえし『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

うちのまいこ『スローループ』
マウンテンプクイチ『球詠』
桜木蓮『アネモネは熱を帯びる』※次号休載
Magica Quartet・富士フジノ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』

◎2話掲載

一ノ瀬けい『花唄メモワール』

まめ猫『巨大怪獣ポメラニアン』
あらたまい『え? 結婚って3次元でもできるんですか?』※次回4月号掲載
白野アキヒロ『しゅがー・みーつ・がーる!』※次号休載
おくりごま『ネコかぶりアンコール!』
河瀬季(モノリス法律事務所)・さくたつ。『仮想世界のテミス』
くずもちまつり・誰がし『薪窯のパンドラ』
はづき『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』
橘まなり『サキュバスイッチ』
師走ほりお『高瀬さんはドル活に夢中です』
せうゆプリン『マンボウの人魚姫』
青田めい『オールドヨコハマラジオアワー』

◎休載

津留崎優『SA07』※暫くの間
まめ猫『ももいろモンタージュ』※次回4月号掲載

今月号も特筆するような事は無いが、それにしても『スローループ』『球詠』『アネモネは熱を帯びる』は毎号連載順が上位で安定しているなと思う。

 

連載作品感想

色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。 [特別編2]
《betock》

杏莉との鬼ごっこが引き続き継続中の本編から今回はいまの時期にあわせてクリスマスの一幕を描いた話、と思わせてとんだ楓音の夢オチ回であった。という事で実際に疾しい事などそもそも起きてすらいないものの、こんなものを見てしまうまでに楓音は着々と目覚めつつあるのか、それともリリエルから謎の電波を受信して見てしまったのか。まぁでもリリエルなら本当にヤバそうなのものを贈りかねないから怖いが、とりあえずこれが正夢にならない事を願いたいところである。

因みにであるが、そのリリエルが贈ったチョコレート[*1]のパッケージに書かれていたヘブライ語の内容は以下の通り。

שוקולד מלאך
エンジェルチョコレート

מכיל אפהדיזיאק
媚薬が入っている

זה גורם אפילו לבחורה שאה אוהב להשחגע
好きな女の子も夢中にさせる

第3巻は来年1/12発売!

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魔法使いロゼの佐渡ライフ [#15]
《おみなえし》

紗菜の高校の後輩である麻衣が観光案内のヘルプ等々に来た回、であり麻衣から見たら紗菜を寝取ったような恰好に見えなくもないロゼを見定めに押し掛けてきた回であった。なんだか助けてもらえたら別に紗菜でもロゼでも誰でも見境なく惚れるんじゃないだろうかってくらい麻衣はクソチョロく感じるけれども、後々悪い男に騙されたりしないか不安に感じる…。こんな事もあろうかと、と思っていたかは定かではないが忍ばせていた紐が役に立って、本当に備えというものはしておいて役に立たない事は無い、と改めて感じさせる。
それにしても恐らくはいまも佐渡とエトワールとの繋がりが気になって仕方ないところなのに、なんか知らんが麻衣に惚れられる事になり、ロゼにとっては悩みの種が増えたような気がしなくもない。

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スローループ [#65]
《うちのまいこ》

一花の全裸滅ッッッ茶苦茶にエロ過ぎないか???

 

…という事で前回に続き一花と楓の話。マゴチとイネゴチの違いは食べ比べても全然さっぱりであったが、一花の些細な違いに気付く楓は相当に普段の一花をよく見ているというか、大分一花への想いが重いのではないだろうかとも感じる。そんな違いに気付く楓の事は一花も満更では無さそうであったが、実際本心では互いの事をどう思っているのだろうか。この作品もいろんな関わり繋がりとかカップリングがあるけれども、一花と楓のカップリングはまた他とは違う味を出しているなと感じるし、そういうカップリングごとの違いももっともっと分かっていけるようになれたらな、といち読者として思うところである。

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花唄メモワール [#12・13]
《一ノ瀬けい》

藤野が贔屓にしている蝋燭店の息女である灯子のもとを藤野と共に訪れる梅、実家の蝋燭店を存続させるべく藤野の提案で蝋燭を使って花瀧屋で親をもてなそうと提案して、その計画を考えて欲しいと梅に頼んできた。ひとまず現代で大叔父がやっている事をパクって竹灯篭をつくる事となり、不測の事態が起きながらも灯子の親を見せの存続に納得させる事、そして来てくれた客にもてなす事をどうにか果たす事ができた。
徐々に近付きつつある藤野の身に起きる事を回避しようとするもそう上手くはいかない梅であるが、それでも梅が思っている以上に藤野の中で梅の存在は段々と大きくなっていって生きる意味になっているから、決して上手くいってないなんて事は無いと思うし、これまで積み重ねてきたものは確かに結果へと繋がっているのではないだろうか。そんな梅と藤野の関係もそうだし、今回の灯子一家がそうであるが、誰かに向けて抱えている想いはしっかりと伝えておかないといけないのかなと感じる。
一方でこれまでちょっと変わっている子くらいにしか思っていなかった花瀧屋の面々にだったが、これが小説家の勘というものなのか、それとも天性の観察眼か推察力か、様々な違和感から梅の素性を竹子はものの見事に見抜いた。その観察眼と推理力は梅の目的を達するに向けて大きな力となりそうであるが、それが叶わないとなると大きな壁となりそうである。梅にとって竹子とのこの対話はルート選択を間違えたくないところであるが、素性を見抜いた竹子にどう返す事か。

第3巻は来年2/09発売!

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しゅがー・みーつ・がーる! [特別編]
《白野アキヒロ》

今回は高校入学前~直後のカンナの話。可愛い制服に憧れて令嬢校へ進学を決めたカンナであったが、「着てもいいと思える服」と「自分に似合う服」というのは全くの別問題で、入学前からその差の問題に躓く事に。実際自分に似合うかもと思っても着てみたら全然そんな事は無かったっていうのはよくある事であろうが、制服で進学先を決めたカンナにとってこの問題は普通に私服を選ぶよりも大きな問題なのは間違いないであろう、これで3年間過ごさなければいけない訳であるから猶更である。それこそカンナが見惚れるくらいに美都とは何もかもが違い過ぎるくらいであったが、そんなふたりが互いに心臓を握り合う関係へと後々なるのだから、人生何があるか分かったものでは無い。

 

ネコかぶりアンコール! [#5]
《おくりごま》

音子にとって憧れのヒロインで推しである印が入部してくるという事実は直視できないくらいにキャパオーバーな事態であったが、こういうのに鈍感な兄は置いといて牧奈の勧め(と謀略)もあって翌日印とふたりで話す事に。そこで分かったのは周りから可愛いと言われ慣れて飽きた事、ヒーローみたいにかっこよくなりたいというのが印の目指したい自分である事で、それは音子が憧れていた理想のヒロインとは真逆のものであった。
ただ印も周りから抱かれているイメージと本性が違う事がわかる事を恐れていて、そんな本性を実現したいから入部するという点は音子とどこか似ているのかなと感じる[*2]。他人の外面だけを見てそれに憧れるのは音子に言う通り「隣の芝生は青い」というところだろうが、互いに本性を隠していたふたりの交わりはこの先を何を生み出すだろうか。

 

仮想世界のテミス [#5]
《河瀬季(モノリス法律事務所)・さくたつ。》

全く収まる気配の無い偽える事件に遂に所属事務所へ殴り込むような形で正義に依頼するよう頼み込む初、そのやり方はともかくとしても事務所社長が正式に依頼してきたこともあってこの案件を引き受ける事に。なんとか開示請求が通って相手の身元を特定するもそれでも全く事態は収まらず、事件の決着は法廷闘争へと縺れる事に。ここまで事態が泥沼化の様相と呈してくると、2話3話でのNFT盗難事件は形だけとはいえ訴訟沙汰に発展しなかっただけ本当に丸く収まったのだなと改めて感じる。今回ばかりは私情ダダ洩れな[*3]ネットに強い初が開示請求で身元特定まではしたが、そこで相手が折れて穏便に済めばそれに越した事は無かったが、それでも初にできる務めはしっかり果たせたと思う。
ところで事務所社長が正義の評判を噂に聞いたSNSグループで紹介したというS・Aなる人物に初はどこか引っ掛かっている様子であったが[*4]、えるの事だけでなく初自身にとっても因縁のある相手なのか、そしてこれまで起きた事件もこれから起きるかもしれない事件にも関わっているのか。偽える事件の解決に向けて動く一方で話の風呂敷も広げてきたかなと感じる回であった。

 

薪窯のパンドラ [#10]
《くずもちまつり・誰がし》

ただでさえ男性には想像し難い月に一度の日でしんどいうえに気圧変動も重なりどうしても気が立つ日菜乃、そんな状況で恵理とはなかなかそりが合わない店の方針や麦の事で更に気が立ち、そんな会話を麦に聞かれた事で恵理も日菜乃も場の収拾がつかなくなり、そこに入ってきたころねは全然デリカシーが無さ過ぎで…。そんな感じでこの日のパンドラはこれでもかというくらいにカオス状態と化していくのであったが、兎に角4人揃いも揃ってお前らクソめんどくせぇな!って直接言いたい気分である。
まぁ誰が特に悪いという訳でも無いだろうが、連休初日でこんな調子では先が思いやられるところ、本当どう収拾をつけるつもりなのだろうかこれは。

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異世界サウナへようこそ! ~ルナちゃんはととのいたい~ [#11]
《はづき》

ムーダの紹介で内湯の壁に描く絵は壁画師のピルタが担当する事に、一方スラーはムーダの勧めで熱波師の大会に出場する事を決める。それぞれが目指すものに向けて進む中で、スラーは強敵が揃う大会でどうしたら対抗できるかの模索が続き、ピルタは納得がいくような絵にするのには何かが足りないと感じ、それぞれの自分らしさや自分の軸が固まらずブレている状況に。自分にしかできない事や自分らしさに自信を持って自分の軸を固めるというのはなかなか難しいものであるが、特に大きな大会に出ようとしたり案件を任されると余計にそう感じてしまうものであろう。自分らしさの模索が続く状況であるが、どうにかここで一皮剥けられるだろか。

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サキュバスイッチ [特別編]
《橘まなり》

本編が世界の危機へと発展した状況の中で『百合キス』同様にこっちもクリスマスシーズンに合わせた特別編。
サキュバスイッチといえば初回からメル子のお〇ん〇ん発言だったり、兎に角シモ方向でぶっ飛んでいたり、非常時とはいえハッスルする休憩所でヤったり、ここ最近はメル子の松茸が大活躍していたりと、純愛系ラブコメの皮を被ったナニかな作品である。だというのにこの特別編…

キミ本当にあのサキュバスイッチで間違い無いのか!?!?!?

…とツッコミたくなるくらいに余りにも純愛もの過ぎる、いつものとち狂った展開が全く無くて本当に今月載っていて読んだ作品がサキュバスイッチサキュバスイッチで合っているのか自信が持てなくなる。ていうかこんな事を言ってしまうのは本当失礼過ぎるなと思うが、橘先生がこんな綺麗な話も描けるのはなんか驚きである(橘先生本当にゴメンナサイ)。
まぁそんな本編とは全く違う今月号のサキュバスイッチであったが、何か少しでもルート選択や外的要因が違っていたらあんずとメル子がこんな関係になっていたかもしれないのではと思うと、本当どこでこんなとち狂ったルートを選んでしまったのだろうかと思わずにいられない。
そんないつもと違い過ぎるサキュバスイッチだったが、また来年もふたりでクリスマスを迎える為にも世界の危機をどうにか乗り越えて欲しいところである。

第2巻は来年2/09発売!

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高瀬さんはドル活に夢中です [#14]
《師走ほりお》

次号、最終回!

…いきなりこんな話からするのもどうかと思ったが、前回江田と高瀬がやっと収まるところに収まっていい最終回みたいな感じを出していたから、ひとまずのゴールを迎えたふたりがこの先どうなるかと思っていたがここで〆に入るのはちょっと意外だなと自分は感じる。とはいえやっと恋仲まで進んでもドール愛は変わらずな感じであるが、共通の趣味からはじまったふたりの繋がりは最後に何処へと進むだろうか。

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オールドヨコハマラジオアワー [#4]
《青田めい》

番組存続の為にはやはりルールーの手綱を如何に握れるかが鍵、という事でなぎさの情報を受けてハラスが台本を書き、更にハラスがルールーに釘を刺して行われた問題の月餅リターンズ回の収録であったが、やはりルールーは商業放送のパーソナリティを務めるのに問題が多過ぎやしないだろうか。とはいえ後日自ら謝罪行脚に出向いてる辺り全く悪かったと感じてない訳ではないようではあるが、ただこういう所謂ついカッとなってやってしまう性格で大分人生を損していそうな気がする。
ひとまずはなぎさとハラスが考案したマスッコトキャラの提案もあって番組存続に一歩前進しただろうか。てかこれまで3話がオルヨコ愛を拗らせタイムリープを重ねて感覚を麻痺したなぎさの異様さを前に出した展開であったが[*5]、今回は番組存続に向けての堅実な展開だったなと感じる。
ルールーの手綱を握れなかったのもあるだろうが、これまでの周回に足りなかったのはこういう周りのアフターフォローなのではないだろうか。ルールーの素行も十分問題ではあるけれども、それと同じくらいに周りが如何に支える事ができるかも相当重要になっていきそうである。

 

ゲスト作品感想

マンボウの人魚姫
《せうゆプリン》

人魚の末裔である幼馴染のたえをを人に戻すべくかもめが王子探しに奔走する事になったが、人魚と言いつつ見た目がまんまマンボウだからといって王子候補が悉く魚介類なのはちょっとどうなんだろうかとは思う。まぁいきなりこんな事になって魚介類以外に候補が思い浮かばなかったのかもしれないが。結局のところたえにとってはずっと前からかもめが王子だったのだろうが、こういう大事な事はギリギリにまで追い詰められないと見えないものなのかなと感じる。にしてもその答えに辿り着くまでに結構な遠回りをしたような気がしなくも無いけれども。

 

次号予告

次号のきららフォワードは、単行本第3巻が2月9日に発売! 『花唄メモワール』(一ノ瀬けい)が表紙を飾ります! さらに! 巻頭カラーには大好評連載! 『ネコかぶりアンコール!』(おくりごま)が登場! その他、『ももいろモンタージュ』を大好評連載中のまめ猫先生により特別読み切り第2弾『オタクにやさしいギャル仙人』やついにフィナーレを迎える『高瀬さんはドル活に夢中です』(師走ほりお)をはじめ、話題作品が目白押し!! フォワード3月号は1/24発売予定! 2024年もフォワードをよろしくお願い致します!

引用:まんがタイムきららWeb

次号は 『花唄メモワール』が23年10月号以来に表紙で登場。単行本がそれなりに売れているらしいという話だから更なるメディア展開にも期待したくなるところであるが、単行本3巻という時点でそういう話を出すのにストックが足りているかどうか微妙そうな気がしなくもない。ただ今年一年がきらら全体でここまでそういう話が無くて寂しく感じるところではあるので、来年はそんな話が出てくる事を願いたいところである。

 

新刊情報

発売中

 

終わりに

冒頭で述べた通りここ最近特別編を挟む作品が多いのは本当どういう意図なのなのかは気になる。それがちゃんと単行本でも載るのならいいのだが、単行本に掲載されないという可能性も無くは無いし、話によってはキャラの掘り下げに大きな意味を持つものもあるから、やはり本編も特別編も単行本でも載せて欲しい、というのがいち読者の意見であり願いである。

 

て事で今回はここまで、次も期待しないでください。

 


※脚注

*1:9頁

*2:まぁ音子の場合は牧奈に嵌められ退路を断たれる格好になって入る羽目になったのだが

*3:いつも私情がダダ洩れている気がしなくもないが

*4:319頁

*5:前回までに28回行った周回数のカウントをとうとう諦めたし