新大関となって迎えた霧島や大関昇進を目指す三関脇に注目が集まった名古屋場所、自分としては春場所以来の観戦皆勤出場となり引き続きいまの大相撲に全く期待してないなりに注目した場所となった。
そんな名古屋場所は思ってた以上に盛り上がった場所になったのかなという気がするが、そこら辺いろいろ身勝手に語っていきます。
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今場所を振り返る
今場所特に注目された豊昇龍、大栄翔、若元春の三関脇の大関昇進の行方、はじめての3人同時昇進がにわかに期待されたが、はじめての幕内優勝を決めて直近三場所で33勝を挙げた豊昇龍が大関昇進を決める事となった。多彩と言われる一方で得意の型が無いとも言われる豊昇龍だが、そこはこれからに期待だろうか。元横綱の朝青龍を叔父に持つだが、朝青龍を越えるような大器と成って来場所もこの勢いと強さを維持できるかどうか、引き続き注目したい。
大栄翔と若元春は終盤に失速したうえに引く相撲をしてしまったのは悪印象としか言えない、結局共に9勝止まりとなったが来場所優勝やそれに準じる成績を残せば未だ可能性はある。更に上を目指すのであればもっと前へと攻める姿勢を貫いて欲しい。
北勝富士は今場所好調で千秋楽に豊昇龍との優勝決定戦まで持ち込み、終盤失速してしまったが錦木も好調を維持して来場所悲願の新三役が確実となった。優勝争いを演じた30代とベテランの域のふたりであるが、来場所以降も好調を維持して大器晩成となるだろうか。錦木は関取の地位が危うくなった時期もあったがベテランの逆襲劇がはじまるかどうか、注目したい。
連覇と名古屋での初優勝が期待された横綱照ノ富士は2日目3日目と連敗して休場、思うような相撲がとれない事は本人が一番辛いであろうが、いまはしっかりと養生して欲しい。
新大関で迎えた霧島は左肋骨の骨挫傷で初日になって休場を発表したが4日目から再出場、結果6勝7敗2休となり昇進早々から角番となったが、それでも出場した十二番は怪我を抱えながらも五分の星を残して角番脱出への期待感は残せただろうか。唐突な休場と再出場にいろんな意見はあるだろうが、自分としては万全を期す為にも今場所は養生に務めて欲しかったと思うところである。
返り入幕2場所目の朝乃山は左上腕の負傷で中日から休場したが12日目から再出場、勝ち越しに後がない状況で大関霧島や昇進を目指す若元春などを制し再出場から全勝で勝ち越しを決めた。更なる活躍が期待されていたものの来場所大幅な番付上昇とはならなさそうだが、それでも再躍進に向けての期待は残せただろうか。
豪ノ山、湘南乃海、伯桜鵬の新入幕3人が躍進した。共に二桁を挙げて三賞を受賞、19歳で入門3場所目の伯桜鵬は千秋楽まで優勝争いを演じた。付出し入門で一気に番付を駆け上がっている伯桜鵬が3人の中では注目度は高いが、豪ノ山と湘南乃海も十分な結果を残せたのでは無いだろうか。来場所は番付をあげてより強い相手と組まれる事になるが、そこでも真価を発揮できるのかに注目である。
各段優勝・三賞受賞力士
幕内 | 東関脇 | 豊昇龍 智勝 | モンゴル・立浪 | 初優勝 |
十両 | 西筆頭 | 熱海富士 朔太郎 | 静岡・伊勢ヶ濱 | |
幕下 | 東筆頭 | 時疾風 秀喜 | 宮城・時津風 | |
三段目 | 東86 | 若碇 成剛 | 東京・伊勢ノ海 | |
序二段 | 西36 | 小城ノ正 謙太 | 大阪・出羽海 | |
序ノ口 | 西18 | 安大翔 大和 | 宮城・安治川 |
殊勲賞 | 東筆頭 | 錦木 徹也 | 岩手・伊勢ノ海 | 初受賞 |
敢闘賞 | 東関脇 | 豊昇龍 智勝 | モンゴル・立浪 | 初受賞 |
東小結 | 琴ノ若 傑太 | 千葉・佐渡ヶ嶽 | 4回目 | |
西前9 | 北勝富士 大輝 | 埼玉・八角 | 初受賞 | |
東前13 | 豪ノ山 登輝 | 大阪・武隈 | 初受賞 | |
西前14 | 湘南乃海 桃太郎 | 神奈川・高田川 | 初受賞 | |
西前17 | 伯桜鵬 哲也 | 鳥取・宮城野 | 初受賞 | |
技能賞 | 西前17 | 伯桜鵬 哲也 | 鳥取・宮城野 | 初受賞 |
今場所は7人が三賞を受賞するという大盤振る舞いな場所となった。豊昇龍、琴ノ若、豪ノ山、湘南乃海は千秋楽で勝てばの条件付きであったがいずれも勝ったのも大きな要因だろうか。若手好調と言えば聞こえがいいが、やはりどこか上位層の薄さを感じてしまう結果な気もする。
終わりに
今場所も北の富士さんはNHKでの解説を休場した。中日スポーツのコラムも先場所から止まっているが、放送では本人の都合とのみ説明されるだけでいまどのような状況なのかが分からない。ただ相当な御歳になっているから、体調や負担も考えると勇退する時期なのかなと思わなくもない。それでも、仮に勇退するとしてもその前にもう一度解説を聞いて楽しみたいものである。
あともうひとつ。社会が段々と平時に戻りつつありそれは角界も例外では無いが、土俵上で力士が仕切りをしている最中で声を出す観客がいて、自分としては余りに不愉快である。勝負直前で互いに集中を高めている中でのこの行為は品位を大きく欠く蛮行だと自分は思う。仕切り中一切声を出すなとまでは言わないが、せめて時間いっぱいになって両者土俵に向き直ってからはそのような蛮行はして欲しくない。協会も力士が万全の状態で取組に臨めるようしっかりと周知徹底をして貰いたい。いろいろ平時に戻っていく中で声出し制限は有事のまま維持した方が良かったのではと思うが、どうか気持ちよく土俵が進行するような環境をつくっていく必要があると感じるところである。
て事で今回はここまで、次も期待しないでください。