渓埜胡保の戯言

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【総括】令六 大相撲初場所

 

久々の出場となった照ノ富士、はじめての綱取りに挑んだ豊昇龍、大関取りに挑んだ琴ノ若、番付を駆け上がっていく若手力士。今年最初の大相撲はここ最近機能不全に陥っていた番付がしっかりと機能した場所になったと感じるが、今回もいろいろ身勝手に初場所を振り返ります。

 

⇩過去の大相撲記事⇩

w811b8y198stx8.hatenablog.com

 

 

 

今場所を振り返る

横綱照ノ富士

初場所は途中休場となった昨年名古屋場所以来に出場した横綱照ノ富士が13勝を挙げて9度目の優勝を決め、いよいよ目標としている優勝回数二桁に王手をかけた。序盤は稽古不足や土俵勘の衰えがあったのかどこか危うい取組が多いい印象で、前半は金星をふたつ献上する事となったが、それでも流石は横綱というところだろうか、後半になるにつれて強さと盤石さが戻ってきたように感じた。特に共に優勝争いを展開した琴ノ若と霧島の取組は、未だ未だ横綱の健在さを示す取組であったと思う。抱えている怪我や疾病が完全に回復するなんて事は無いし今場所をもそれを抱えての出場であっただろうが、それでもこの強さを発揮できるのは流石横綱というところであろう。

 

3大関

先場所優勝をしてはじめての綱取りに挑んだ大関霧島は11勝で今場所を終えた。十四日目の琴ノ若と千秋楽の照ノ富士と優勝争いをしていた力士に連日土をつけられたのはとても痛いところであるが、それでも二桁白星を挙げ優勝争いにも絡んだから大関の責務は果たしたといえよう。
豊昇龍も優勝争いに絡んではいたが右膝の負傷で十四日目から休場する事になった。優勝争いに関わる一番が組まれている中で最終盤での休場は自分としてはいろいろ思うところはあるが、とはいえこれ以上悪化させない事が第一だから致し方ない決断だったと思う。とはいえ二桁白星を挙げたから責務は果たしたといえる。
貴景勝は再び首を負傷して四日目から休場となった。綱取りがかかった先場所も首が万全でなく思うような結果を残せず、場所前も状態が不安視されている中で迎えた今場所であったが、なかなかにもどかしい場所が続いている印象である。

 

関脇

関脇琴ノ若は照ノ富士と共に13勝を挙げ優勝決定戦に持ち込んだ。結果は初優勝とはならなかったものの、直近3場所で33勝を挙げて場所後に大関への昇進が決まった。本人としては手放しでは喜べないところであろうが、ここで止まる事無く更に精進邁進をして優勝と更なる地位を掴んで欲しいところである。
大栄翔は2場所続けて9勝止まりと大関取りに向けて足踏みが続いているが、大関候補の殻をどうか破って欲しいところである。

 

若手力士

昨年入幕してきた若手力士は今場所は苦戦した印象である。新入幕の秋場所と続く九州場所で優勝争いに絡んだ熱海富士は上位総当たりとなる西前頭筆頭で迎えたが、ものの見事に跳ね返されて6勝で終える事となった。同様に名古屋場所で入幕した豪ノ山と湘南乃海も二桁の黒星に沈む結果となった。共に磨けば光る素質はあるのだろうが、とはいえ勢いだけで駆け上がれる程角界は甘く無いという事実を突きつけられたように感じる。未だ未だこれからが伸び盛りであろうからより一層と上位を目指して精進邁進して欲しいところである。ただ今場所の湘南乃海が全然力無く土俵を割る取組が目立ったのは気になるところであるが、どこか大事に至って無い事を願いたいところである。
それと怪我で番付を下げてて今場所復帰した伯桜鵬が来場所の十両復帰を決めた。新入幕だった名古屋場所を沸かせて怪物とも称される秘めた力を再び揮えるのか、未だ未だ目が離せなさそうである。
今場所新入幕の大の里は割を崩して組まれた上位には跳ね返されたものの11勝を挙げる活躍をみせた。幕下付出し入門から1年も経たず入幕を果たしてこの活躍はこの先への期待も高まるところであるが、先述の通り勢いだけで駆け上がれるものではないから、しっかりと精進邁進に励んで欲しいところである。

 

その他力士

朝乃山は後半途中休場があったものの9勝を挙げて再び番付をより上位に戻す事となりそうである。元はといえば自身の軽率な行為で大きく番付を下げる事となったが、とはいえここ最近は怪我が増えてきているのか不本意な場所が続き、目標としている返り三役に足踏みしている状況にある。とはいえここで止まるなんて事は有り得ないだろうし、支えてきてくれた人たちへの恩も返しきれていない事であろう。どうか元いたところを目指して今後も前へと進んで欲しいところである。
新小結で迎えた宇良は跳ね返される事となったが、千秋楽の竜電戦で決めた伝え反りは番付を駆け上がってきた頃の、若手で小兵と言われていた頃の宇良を思い返す相撲であった。とはいえこういう相撲はまた負傷をしかねないから正直あんましないで欲しいと思うところだが、でもこういう相撲もできるから宇良は凄いと感じる。

 

優勝・三賞受賞力士

各段優勝

幕内 東横綱 照ノ富士 春雄 モンゴル 伊勢ヶ濱部屋 4場所ぶり9回目
十両 東10枚目 尊富士 弥輝也 青森県 伊勢ヶ濱部屋  
幕下 西筆頭 若隆景 渥 福島県 荒汐部屋  
三段目 西26枚目 藤青雲 龍輝 熊本県 藤島部屋  
序二段 東10枚目 安青錦 新大 ウクライナ 安治川部屋  
序ノ口 西15枚目 安響 力響 青森県 安治川部屋  

 

三賞

殊勲賞 東前頭筆頭 若元春 港 福島県 荒汐部屋 初受賞
敢闘賞 西前頭15枚目 大の里 泰輝 石川県 二所ノ関部屋 初受賞
技能賞 東関脇 琴ノ若 傑太 千葉県 佐渡ヶ嶽部屋 初受賞

 

終わりに

ここ最近の大相撲は上位力士が思うように責務を果たせず割が崩れるという事が半ば常態化していて、角界の絶対的な実力の指標である番付が意味をなさず機能不全に陥ってる印象であった。そんな中で横綱が優勝をして大関も最低限の責務を果たすという今場所の結果は、自分としてはこれこそが本来在る大相撲の姿であって、絶対的な実力通りの結果と概ねなる事が番付の役割であって、そういう点では本来の大相撲と番付が帰ってきたというところである。勿論下位の力士が大躍進をして上位力士をねじ伏せるのも盛り上がらなくはないが、そんな光景が常態化してしまったらそれは上位の為体を露呈する事である、大相撲と番付がゴミクソ化しているという事だと自分は思う。
ここ1年2年はそんな大相撲と番付のゴミクソ化が酷かったと感じているが、今場所はこれこそが大相撲でありこれこそが番付であると強く実感するものであった。そんな初場所を終えた今年の大相撲がこの先どうなっていく事になるのか、若手の躍進にも期待したいところであるが、同時に上位力士はそれを阻む大きな壁となって欲しいところである。

 

て事で今回はここまで、次も期待しないでください。