渓埜胡保の戯言

語彙力のない主観と偏見に満ちた自己満足なブログなので期待しないでください…

【感想】まんがタイムきららフォワード 2024年1月号

 

来月に第6巻が発売される今月号表紙の『アネモネは熱を帯びる』であるが、第6巻まで発売されても新たなメディア展開の話が出てこないとちょっとこの先そういう事への期待が厳しくなるではないだろうか、と感じてしまうところである。

とりあえず今月号もいろいろと語ります。

 

過去の感想記事↓↓↓↓↓

w811b8y198stx8.hatenablog.com

 

 

 

今月号情報

2023年11月24日発売
価格:750円(税込)

◎巻頭カラー

まめ猫『ももいろモンタージュ』※次回4月号掲載

◎表紙

桜木蓮『アネモネは熱を帯びる』

Magica Quartet・あらたまい『巴マミの平凡な日常』※次回3月号掲載
うちのまいこ『スローループ』
マウンテンプクイチ『球詠』
おみなえし『魔法使いロゼの佐渡ライフ』
白野アキヒロ『しゅがー・みーつ・がーる!』
河瀬季(モノリス法律事務所)・さくたつ。『仮想世界のテミス』
一ノ瀬けい『花唄メモワール』
おくりごま『ネコかぶりアンコール!』
くずもちまつり・誰がし『薪窯のパンドラ』
betock『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』
はづき『異世界サウナへようこそ! ~ルナちゃんはととのいたい~』
師走ほりお『高瀬さんはドル活に夢中です』
橘まなり『サキュバスイッチ』
ヨガ道場『放課後のライミングガール』
青田めい『オールドヨコハマラジオアワー』

◎休載

津留崎優『SA07』※暫くの間
Magica Quartet・富士フジノ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』

特筆する事は無いものの、今後2巻発売を控える作品の連載順が低めなのがやや気になるところである。

 

連載作品感想

スローループ
《うちのまいこ》

前回のひよりと二葉のおねロリ回とは対照的に今回は照りゴチに興じる一花と楓の年長サイドの話。
一応オフをとって出てるとはいえ自分のところじゃない船で釣りに興じる事に対する一花の気まずさは分からなくはないが、同業者間で情報が回っていたり無線で父が一花にメッセージを送ったりとかというのは陸にいるときとそう大差は無いのではと感じる、てか船長経由でやりとりするなんてなんか回りくどいし直接対話した方が早くないだろうか。そんな訳で一花の気まずさなんてものは杞憂だったのかもしれない。
大人だから釣果を競い合わないと言いながら滅茶苦茶に対抗心に燃えてたり、なんかちょうもないところで意地を張ったりしていて、一花も楓もいい歳してなんか大分子供じみてるなと感じる。まぁ大人というものはそういう生き物なのかもしれないが。

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魔法使いロゼの佐渡ライフ
《おみなえし》

ときこに留守を任されながら映えとバズを求めて彷徨う月渚は結構深刻な承認欲求モンスターだと思う、彼女をこんなバケモノにしたのはスマホという現代技術が生んだ悪しき文化なのだろう。
そんな佐渡に来て半年も経っていない月渚がすっかり現代文化に適応していく一方で、ロゼはともかく現代人の紗菜がこんなにも文明の利器に疎いというのはちょっと問題ではないだろうか。単に家計が回らないからというだけでは無いように思うがここまで疎いとはまた何故になのだろう…。
月渚の勧めもあって買ったはいいもののキャリア契約はしてなくネット環境も無いこの状況では何にも使えないオチとなったが、じゃあ結局スマホを買った意味とは何だったのだろうか。いろいろ紗菜と話したい事が募っていそうなときこの悶々は[*1]もう暫く続きそうである。
一方で佐渡とエトワールの繋がりについてはロゼの転移魔法と月渚が流れ着いたのは無関係のようであるが、仮に手段があってもロゼだけでなく月渚もあんなところに戻ろうという気は更々無さそうである。

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しゅがー・みーつ・がーる!
《白野アキヒロ》

そんじょそこらの公立校じゃ茶道なんてものは授業でやらないだろうし仮にあっても選択科目にあるかどうかというところだろうが、それはそれとして練り切りを食したい一心でいろんな事を耐えたカンナ。授業の方はいろいろとあったものの美都の配慮もあって無事に食せたから、ここまで耐えてきた甲斐というものはあったと思う。
そんな今回の一件で校内でもふたりの距離は縮まったように感じるが、その距離がより近くなる程に互いの関係や嗜好が露呈する危険も高くなっていくのは間違いない。そんな周りの目や様々なしがらみの中でこの先ふたりはどうこの関係を深め合っていくだろうか。

 

仮想世界のテミス
《河瀬季(モノリス法律事務所)・さくたつ。》

2話[*2]で正義を連れてライブに行くくらい初がハマっていて推しているバーチャルアイドルのえるが何者かによる成りすましで滅茶苦茶にされた今回。ひとまずDMCAの申し立てで問題になっていた動画は削除されたものの、後日新たに投稿された動画は興味が無い正義ですら絶句する程に本来のキャラとは余りにかけ離れ過ぎるものであった。以前に救われた事から[*3]強い思い入れがあるえるを推している初はいまにも怒髪天を衝く勢いであるが、一体この偽える騒動は何処へと向かう事か。
それにしてもきらら作品で唐突に絵に描いたようなテンプレ中年キモヲタが出てくるのは[*4]正直心臓に悪いのでどうかやめて欲しい。恐らくえるに対して何かしらの妬みは持っているのだろうが、その後ろにいる黒幕若しくは援助者も叩かない事には全面的な解決は難しそうに思う。
あと余り本筋には関係ないが相変わらず正義のネット知識が、特に今回はネットスラングを全く理解できていなくて[*5]何だか未だ未だだなと感じさせる。とはいえそこまでの知識は弁護士業で必須では無さそうだし、DMCAの事を大体理解している辺り成長はしている気はする。

 

花唄メモワール
《一ノ瀬けい》

過去での行動によってそれ以降の時間にどのようなバタフライエフェクトやタイムパラドックスが起きるかというのはこの手の作品に於いて重要なテーマのひとつであるが、そんな事を気にする余りイネとの間に物凄く微妙で気まずい空気を生み出した梅。節分当日という多忙な状況でなかなか互いに歩み寄る機会をつくれなかったが、それでも何だかんだ収まるところに収まって結果ヨシというところだろうか。
一応いまの時点では現代のイネには特に影響は出ていないようであるが、イネはイネでタイムパラドックスを起こさぬように、何より節分の日やその後の出来事を無かった事にしない為に何かを隠し通しているようである。だとするといま梅がやっている事はイネの想いとは逆行していく可能性も、梅が藤野を守ろうとする度にイネが守ってきたものが喪失していく可能性もありそうであるが、いまの段階では深読みし過ぎだろうか。どっちにしてもこの先も様々な要素で気が抜け無さそうである。

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ネコかぶりアンコール!
《おくりごま》

この先入部希望が増えていくのは部活動である以上当然の事でありそれ自体は音子にとって大した問題では無かったが、初演の翌日早々に入部希望が来た事、何よりその入部希望者が推しである印だったのは即逃亡を図るくらいに音子にとって耐え難い事実だったようである。
という訳で前回の初演の実績で(仮)がとれて正式に演劇部として始動したものの、早々から音子にとっては波乱の船出となった。件の入部希望である印は一見裏表が無さそうに感じるが、本当に裏表の無い娘なのかそれとも音子同様に猫を被っているのか。でも猫を被っているなら牧奈の声紋解析スキルで既にバレていそうだがどうなのだろうか。どっちにしても音子の新たな苦悩は未だ未だ続きそうである。

 

薪窯のパンドラ
《くずもちまつり・誰がし》

休載と先月号の番外編を挟んで前回載ったのはいつだったかと思うくらいに久しい気がする本編であるが、麦が何かしら隠していそうな事に対して過度に探らない恵理に対して是が非でも麦の口を割らせたい日菜乃ところね。言いたくない麦と言い出させたいふたりの攻防が割と激しく展開された一方そんな3人のやりとりを見ていて、特に麦の膝の上に乗る日菜乃には静かに対抗心を燃やしていたように見えた[*6]
そして大型連休を控えて何か新商品を出したい日菜乃に対して祖父への想いが強いのもあるのか消極的な恵理、何だかんだで今回失言垂れ流しだったころねに押し付ける形で動く事になったが、パンドラのこれからに向けてどのようなものを生み出すのだろうか。そもそもこんな事をころねに押し付けて本当に良かったのだろうか。
結局麦の事は最後の最後まで引っ張っていきそうな気もするが、日菜乃をフォローしようと何か言いかけるも結局投げやりにした事から[*7]、やはりパンドラ周りの事について知っているのは間違いなさそうである。

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色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。
《betock》

唆したルシフェルによって呪いを発現させた杏莉と鬼ごっこをする事になった楓音達であるが、ひとつ問題は落としたものの[*8]今回は割と順調に事を進めているような印象である。楓音への杏莉の想いとキスに塗れているこの異空間であるが、教科書までもがキスに塗れていてこの歳の先生には余りに刺激が強過ぎたようである。てかまともな本は無いのかこの空間には、まぁ図書館の蔵書からしてそんなものは望めそうに無さそうではあるが。
今回は雪奈に先生にグイグイとキスをしていく楓音だったが、状況が状況だからやっているだけなのか、それとも心にキスへの快楽へと目覚めつつあるのか。あとはどこで盛られたか分からない葵とキスして杏莉を解呪すれば終了だが、そんな上手く事が運ぶだろうか。
あとあくまで利害が一致しているだけの関係だからか、杏莉とルシフェルには協力とか信頼という関係性は無さそうである。

第3巻は来年1/12発売!

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異世界サウナへようこそ! ~ルナちゃんはととのいたい~
《はづき》

ここでの半年間がどんなに居心地が良くて楽しいものであったとしても簡単に昔の事を振り切るなんて出来るものでは無いし、それこそ流奈にとって閉店した銭湯の事をこの先もずっと忘れられず想い続けていきそうであるし、それが人間というものであると思う。そんな過去があるからこそここをあの銭湯みたいな事にはさせまいという想いに流奈をより強くさせているのであろう。
そんな想いを抱えながらいまの居場所であるここを、あのとき果たせなかった想いを今度こそ果たすべく流奈や従業員達であるが、一体どのように改装される事になるだろうか。

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高瀬さんはドル活に夢中です
《師走ほりお》

恋心を自覚して高瀬の誕生日にデートと愛とPOPである事の告白をすると意を決した江田、確かに自身の想いを自覚してからの展開は早く感じるけれどもそれだけもうこれ以上隠し通しも先延ばしもしたくないという江田の決意なのであろう。
ひとまずはようやく江田が漢をみせられて、一方で高瀬も伊達にPOPを追っているだけの事は無くひと目で見抜いて、何はともあれようやく江田と高瀬が収まるところに収まったというところだろうか。そんな新たな関係へと進んだふたりであるが、この先ずっと糖分過多な展開となっていくのかそれとも何かしら大きな事がふたりの身に起きるのか。この想いと関係はどうなっていくだろうか。

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サキュバスイッチ
《橘まなり》

長くなったので折り畳みます、今月号もいろいろとやべーです…。
▼▼CLICK▼▼

メル子の松茸が地球の危機を救うという過去一アホみたくぶっ飛んでとち狂っている最悪に感じる救い方をした前回であったが、そんな迎撃した隕石はメル子が爆裂に射出させたものと融合して精の惑星なるものが爆誕するという、これまた訳の分からない展開に。前回の話で橘先生のアシスタントが「隕石と〇精すな!!!」とツッコんだとの事だが[*9]、比喩でも何でもなく本当にそうなってて増々訳が分からない。
とか笑い飛ばしていたらその惑星が地球上のあらゆる生命体から精力を吸い取り肥大化、性欲の喪失によって全生命体が存続の危機になるという滅茶苦茶に洒落にならない事態に[*10]。いや本当に訳が分からない、純愛系ラブコメの皮を被ってこれまで様々な狂った展開を繰り広げてきたこの『サキュバスイッチ』という漫画であるが、ちょっとふたりが入れ替わっただけなのに、非常事態とはいえ互いのはじめてを捨てただけなのに、それが地球上全生命体の危機という壮大な話へと発展するなど誰が予測できようか。本当この漫画は純愛系ラブコメの皮を被った何なんだよ、一体…。
そしてムメアと勇作の家族写真が撮られた島の場所が分かったとムウから報せを受けるふたり。この有り得ない状況と入れ替わりに関連があるとみ欄で全生命体の為に、何より互いの未来の為に、ふたりは意を決して写真の場所へと向かう。断じて早めの新婚旅行などではない、筈…。

それにしても互いにはじめてを捨てた直後の6話[*11]でどれだけヌいても退化しなかったメル子の松茸であるが、今回の迎撃でこれまで溜め込んだものを爆裂に射出しきってようやく退化。これまで全然退化せず元気になっていくばかりだったのにこの急変というのは、件の隕石はメル子の松茸と〇精する為にに引き寄せられた、こんな事態に発展したのはある意味必然だったのではと感じる。
あとこれから向かう島で、それ以前にその道中で一体何が起きるか分からないうえ既に洒落にならない危機の真っ只中であるが、決意を固めながらもどこか穏やかそうにも見えるメル子とあんずは「ふたりなら乗り越えられる」という信頼の表れではないかと感じる。本当そういうところは純愛ものだと思わせるのに他の要素がどこまでも何故に…。そんなふたりを見てムウも安心しているように見えたし[*12]、ふたりの事は信頼しているのかなと感じる。

…とまぁここまで長々と語ってしまったものの、いまにはじまった事では無いが特にここ最近の展開はこう思わずにはいられない。

出典:サキュバスイッチ 第11話「融合、そして誕生」
まんがタイムきららフォワード 2024年1月号掲載
©橘まなり/芳文社

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オールドヨコハマラジオアワー
《青田めい》

リスナーメールを送って番組スタッフのハラスと接触したなぎさ。そんなふたりがオルヨコへの想いを語り合って関係を深めていく中で、次の周回以降でハラス本人しか知らない最古のペンネームがふたりの間の合言葉として本当に有効なのかを確認する為だけに3度も周回を無駄遣いするなぎさは[*13]ハッキリ言ってどうかしてる。まぁ既に25度も周回を重ねてきてなぎさの感覚も狂っていそうだし、恐らくは今後もちょっとコンビニ行ってくる感覚で周回を重ねていく事になりそうである。
しかし前回の話で「ルールーが自由過ぎて打ち切られたのでは」と推察していたなぎさであるが、番組182回の収録で台本を食べるなんてものは自由を通り越して奇行でしか無いし[*14]、過去の周回で何度も報じられているスキャンダルも全く隠す気が無いようだし[*15]、オルヨコは切られるべくして切られたのではと感じる。

 

ゲスト作品感想

放課後のライミングガール
《ヨガ道場》

全てが普通な現状の中で普通じゃない事で輝こうとする宏美、偶々目に入ったヒップホップの本を見てラップで輝こうと付け焼刃の知識で輝いているところに現れたのは根っからのラップ好きなアキラ。右も左も何も分からない中でアキラとラップバトルをする羽目になった宏美だったが、それでもこれまでずっと抱えてきた想いを全部ぶちまけて少しは肩の荷が下りたように感じるし、何よりやっと真に輝ける普通じゃない事を見つけられらのかなと思う。まぁそれはそれとして周りとは違うんだとイキろうとしてはいけないし、実際現実はとんだ黒歴史をつくるだけで終わる気しかしないが、そこはフィクションだからこそというところだろうか。なんか全然夢の無い事を言ってしまって申し訳無いが…。

 

次号予告

次号のきららフォワードは、 大好評連載! 『魔法使いロゼの佐渡ライフ』(おみなえし)が表紙を飾ります! さらに! 巻頭カラーには単行本第3巻が1月12日に発売! 『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』(betock)が登場! その他、『ももいろモンタージュ』を大好評連載中のまめ猫先生により特別読み切り『巨大怪獣ポメラニアン』や大好評連載の『花唄メモワール』(一ノ瀬けい)をはじめ、話題作品が目白押し!! フォワード2月号は12/22発売予定! いつもより2日早い発売日ですので、お気をつけ下さい! 次回もまんがタイムきららフォワードをよろしくお願い致します!

引用:まんがタイムきららWeb

次号は『魔法使いロゼの佐渡ライフ』が第1話が掲載された22年10月号以来に表紙で登場、『百合キス』は23年4月号以来に巻頭カラーで登場する。
『ももいろモンタージュ』のまめ猫先生は次号と次々号で読切作品を掲載する。

 

新刊情報

発売中

 

12/12発売

 

終わりに

冒頭でも述べた通りに第6巻の発売を来月に控えた『アネモネは熱を帯びる』がここまで新たなメディア展開の話が出てこないとなると、当面の間フォワードからそういう話は出てこないのではないのかという気がする。一応この先来そうな、というよりは個人的に来て欲しいと願望を抱いている作品は幾つかあるものの、仮に順調に巻数を重ねて水面下で動いていたとしても実際に発表されるまでは未だ時間が掛かりそうである。まぁあくまで身勝手に妄想しているだけだから実際にそこまでの領域にいけるかなんて分からないし、『アネモネは熱を帯びる』の今後への可能性も決してゼロでは無い事は確かであろうが。兎に角読み手としては只々時が来るのを待つ他無い。

 

て事で今回はここまで、次も期待しないでください。

 


※脚注

*1:147頁

*2:10月号掲載

*3:186頁

*4:196頁

*5:188頁

*6:278頁

*7:279頁

*8:そもそも杏莉本人ですら絶対にわからないクソガキじみた問題であったが

*9:橘先生の投稿(Twitter [X] )

*10:男の精を吸うサキュバスにとっても深刻な死活問題であるが

*11:22年8月号掲載

*12:381頁

*13:448頁

*14:440・441頁

*15:442・443頁