渓埜胡保の戯言

語彙力のない主観と偏見に満ちた自己満足なブログなので期待しないでください…

【感想】まんがタイムきららフォワード 2023年6月号

 

息の長い連載となっている『スローループ』と『球詠』であるが、先月号で完結した『ちょっといっぱい!』に次ぐ新たな柱となる作品は出てくるのだろうか。未だ単行本が出ていなかったり発売を控えている作品から幾つか今後に期待したいものはあるが、果たして長く続く事となるだろうか。

て事で今月号もいろいろ語ります

 

過去の感想記事↓↓↓↓↓

w811b8y198stx8.hatenablog.com

 

 

 

今月号情報

2023年4月24日発売
価格:650円(税込)

◎巻頭カラー

おみなえし『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

◎新連載

白野アキヒロ『しゅがー・みーつ・がーる!』

◎表紙

まめ猫『ももいろモンタージュ

うちのまいこ『スローループ』
Magica Quartet・富士フジノ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』
マウンテンプクイチ『球詠』
木蓮アネモネは熱を帯びる』
一ノ瀬けい『花唄メモワール』
はづき異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』
師走ほりお『高瀬さんはドル活に夢中です』
橘まなりサキュバスイッチ』
くずもちまつり・誰がし薪窯のパンドラ』
betock『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』
牛木義隆『追風のジン』
蒼山サグきんつば『すぱいしーでいず!』
おかか『いつか大人になる君へ』
あらたまい『え? 結婚って3次元でもできるんですか?』※次回8月号掲載

◎休載

津留崎優 『SA07』※暫くの間
そめちめ『ほうかご再テンセイ!』

『SA07』が最後に掲載されたのが21年2月号[*1]、そこから2年以上休載が続いているが再開の目途はあるのだろうか[*2]。仮に何もアナウンスも無く休載告知欄から存在を抹消されるサイレント打ち切りになるならしっかりとアナウンスはして貰いたいところである、他のサイレントで告知欄から抹消された作品にも言える事であるが…。

 

連載作品感想

魔法使いロゼの佐渡ライフ
《おみなえし》

前回の金山観光から今回はその金山でのイベント企画の提案を持ちかけられたロゼと紗菜、結構食い気味に承諾した紗菜であったが余り猶予も無くコレという案もなかなか出ず。そこで茅の輪の一件で貸しをつくったときこにも召集をかけて使える手は全部使うという勢いで企画立案を目指す事に。以前に紗菜とときこの間でどんな事があったかは未だ知り得ぬ事ではあるが、この企画立案で多少なりとも歩み寄れればなと思うところである。一方でロゼと月渚、もといロゼスタリアとルミナスの間も何か起きそうな予感と、いろんな事や関係が動いていきそうなイベント企画立案となりそうである。
そもそもイベント事に出た事が無いから役に立てないと凹むロゼは割とゆるさも交えて描写されていたように感じたが[*3]、1話での描写からしてそんな感じでは済んでない事に、場合によってはそれ以上の事を受けていたのではと思うと地雷踏んだどころの問題じゃない気がする。あと紗菜の企画を纏めたノートのタイトルが『金山がんばるノート』[*4]なのはなんか紗菜の人間性や性格が出ているなと感じた。

第1巻は5/11発売!

comic-fuz.com

 

【新連載】しゅがー・みーつ・がーる!
《白野アキヒロ》

21年8月号での読切掲載から新たに連載作品として再出発。組長の一人娘で大の甘党なカンナ、大企業令嬢の学級委員長で大の肉食派な美都、互いにキャラとは似つかない食への嗜好を知って互いの秘密を隠し合いながら食で繋がる関係を描いた、きららの新たな飯テロ系となりそうな作品である。

とりあえずざっくり読切版からの変更点は
・カンナの名前が漢字表記[*5]から片仮名表記に
・美都の名字が瑠璃咲→望月に
・カンナが単なるヤンキーから組長の一人娘に
・秘密関係の取引を持ち掛けたのが美都からカンナに

その他読切版から言動や心情が逆転しているような印象だったが、凡そ読切版前半と相違無い展開であったと思う。
特にカンナの家庭事情とその環境は甘味への憧れをより増長させる設定であるし、バレたら幻滅されないまでも周りの男連中や取り巻きからどんな弄られ方をされるのでは、というバレてはいけない要因が強くなったのかなって感じる。あとは一食終えた帰りの美都が大分積極的に仕掛けてくるなって感じた。

そんな周りに絶対バレたくない食の嗜好を共有するふたりの関係はどうなっていく事か、次回以降にも期待したい。

読切版はCOMIC FUZで配信中です

comic-fuz.com

 

スローループ
《うちのまいこ》

前回に続きひよりと恋の幼少の話。なかなかキャスティングできずむきになるひよりに対してフォローのつもりが余りに配慮に欠けてて[*6]「それはねぇわ信也さん…」と思ったところである。一方の吉永家は何だかいま以上に父と娘の温度差が激しかったように感じたが、それはそれとしてそんなひよりが傷心したときに恋謹製の甘味の卵焼きを知り、その後のフライ交換も含めて強く記憶と印象に残ったのかなと感じた。ひよりと恋のフライ交換は4巻でもあったけれども、これもまたどこか重いふたりの[*7]想いのひとつだったのだろうか。
という事でひよりと卵焼きの話は完結したものの、小春が更にその先の話を御所望なので次回もひよりと恋の幼少編は続くようである。

 

花唄メモワール
《一ノ瀬けい》

冒頭で即落ち2コマの如く仲が良くなったアイリスとイネであったが[*8]、ようやく帝都が落ち着いて[*9]花瀧屋に来れたアイリス父。父としてはやっと愛娘とゆっくり過ごせるという想いであっただろうが、花瀧屋に避難させて父が会えないうちに自分で居場所を決めたいと思うまでに大人になり、それ程までに花瀧屋が大切な場所となっていたアイリス、妻の面影と重ねながら我が娘の成長を寂しくも嬉しく思う父であった。本当にアイリスは周りに恵まれていて幸福だったなと感じるし、梅がとんできていなかったらこういうルートに入れていたのかどうか。
そんなアイリスの頑張りに眼福だった今月号の話だったが、一方で梅の料理の腕と知識に不自然さを感じる板場の桐喜さん。勘の鋭さはなんだか怖さも感じるが、上手く説得して梅の側に付かせられれば藤野救済に向けて心強い存在になりそうである。そういう梅の本当の素性も含めこの先周りの信を得られる事はできるのだろうか…。

COMIC FUZでも連載はじまりました

comic-fuz.com

 

異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~
《はづき》

先日あげた無印5月号の感想記事の中で「きらら全体での幽霊出現率が高くなってる」と書いて余り日が経たないうちに早くも新たな幽霊が出現してきた。こういうのにツッコむのは野暮であろうが異世界ながら多くの日本人がイメージしがちな姿恰好で、である[*10]
という事でそんな存在までもが美容とととのいを求めて夜な夜な訪れて来た今回。向こうの世界でもこちら側同様に塩耐性が無くどうするかというところで、本来使い道の無い製塩後の泥をパックに利用して何とかご満足いただく事ができた。そんな彼女にほぼ死にかけな状態で異世界に引き寄せられた流奈を「命の灯を感じる」と言っていたが[*11]、借金返済と装置修復も含め帰還に向けて光明が見えはじめているのだろうか。

こちらもCOMIC FUZで連載はじまってます

comic-fuz.com

 

高瀬さんはドル活に夢中です
《師走ほりお》

ひとまず高瀬さんの不安が払拭されたと思ったらドール活動に対する行動力の高さをみせつけてきて、その勢いのまま江田も誘ってPOPのオーナーとオフ会するのを決めるという、本当どこまでドール活動に夢中なんだろうと思う。そればっかりに夢中になって他が疎かになり過ぎてるのは只々不安でしか無いが…。
そんなオーナーのみくは送られてきたものを全部保存するぐらいにPOP愛が重かったり、更には筆跡からPOP=江田誠と特定したりと、現在無印で連載中の『きもちわるいから君がすき』で想い人が身につけたり使ったものを収集する御影依子みたいな女だなと率直に感じた。ていうか今月号の話で偽ラブレター事件を起こした人を依子が筆跡から特定したと思ったら、こっちも大体似たような展開になってて悪い衝突事故が起きたような感覚である。
とりあえず発言通り高瀬さんにPOP=江田という事はバラさないと思いたいが、この想いが重そうなこの女が今後どう江田と高瀬さんに関わっていく事になるのか、なんだか江田のこの先の活動が思いやられる…。

COMIC FUZでこちらも連載中です

comic-fuz.com

 

サキュバスイッチ
《橘まなり》

どれだけパブリックイメージから大きく激しく乖離していようがきららに掲載されている以上はどれも等しくきらら作品であると自分は思うが、それにしても本当にこのサキュバスイッチという漫画はきららのイメージを根本から疑いたくなる作品であるのは最早言うまでもない。

そんな今回は水族館デートに来たふたりであったが、冒頭から人目も憚らずオットセイが盛んに交尾したり[*12]、それを見てメル子があんずを青〇しようとしたり[*13]、メル子が公衆の面前で交尾をセッ〇スと言ったり[*14]あんずがオットセイに獣〇されかけたり[*15][*16]、挙句は〇液不足で貧血状態になったあんずを安静させようと恋人同士がハッスルする休憩所に入ろうとしたり[*17]、本当今更ツッコむまででも無いが今回も大分きらららしからぬ話であった。過去に『先輩、ちょっといいですか?』の3巻描き下ろしで休憩所の建物が描かれた事はあったが、遂にその中に入ってしまうとか、橘先生も担当編集も編集部も芳文社もこんな問題児を載せて大丈夫なんだろうか、いろんな意味で…。まぁ今回一番狂ってたのは扉絵の煽り文と編集部Twitterの告知ツイートだと思う[*18][*19]

そんないつも通りにどうかしてる展開だった一方で、ついオタク語りしたあんずに対して好きに突き抜けてる部分を肯定するメル子は性に貪欲過ぎる以外は案外普通の女性だったりするのでは、と感じた。まぁその性欲が問題ではあるのだが、サキュバスでなければふたりは現時点よりも良い関係になれていたのだろうか…。

そういえば今回お〇ん〇ん発言は無かったから別にノルマとかそういう訳では無かったようである。

 

薪窯のパンドラ
《くずもちまつり・誰がし》

前回出てきた情報から禄でもない人だとは思っていたが、流石に火刑に処そうとするのは度が過ぎてはないだろうか。とはいえ合計50件以上の着信やトーク通知に応じてないので[*20]弁明の余地など一切無いのだが。
そんなころねの料理の腕に麦が感心したばっかりに恵理ところねの麦を巡る争いが勃発した今回、こんな事になる切っ掛けをつくった麦の静止に応じず更に日菜乃も煽って次回料理の因縁を料理で決着させる事となったが、なんだか見ていて恵理もころねも大人げ無いというかこいつらめんどくせぇなって思う。という事で麦がどうにかこの醜い争いを調停できる事となるのか、恐らく恵理が勝ってもころねが勝っても得をするのはこの状況を面白がってる日菜乃になりそうな気がする。

 

色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。
《betock》

前回先輩の葵生にバンド活動に勧誘された楓音、練習に励む中で先輩の元メンバーと対バンする事が決まりその為の新曲づくりとなったが、呪いに影響されていた事を差し引いても全然エモさとは関係ない方向に暴走していったような気がする。それでも強引にいろいろ決めた事に申し訳無さを感じたりと、単にノリと勢いだけの人では無いのかなと感じる。まぁ同じコマですぐに「なんとかなる」と受け流したが[*21]。そして対バン相手の新メンバーに入っていた、やっぱり今回も糸を引いていそうなルシフェル。決して負けられない戦いがはじまるというところで次号は特別編です。

今回はキスで呪いは抑えたもののペンダントのセフィラが光った描写は無いので完全な解呪は出来ていないとみていいだろうか。発現した悪魔アドラメレクは原語で「威厳ある王」を表していると言われている事から、王が絡むセフィラで光りそうなのは王冠と訳されるケテルか王座に座った王で表されるケセドだろうか。勿論どれでもない可能性も十分にあり得るので当てにしないで貰いたい。

第2巻は6/12発売!

comic-fuz.com

 

ゲスト作品感想

いつか大人になる君へ
おかか

屋敷の使用人とその令嬢のおねロリものであるが、もし子供の頃に令嬢に出逢えていたら、もし大人になって使用人が自分の想いを受け止めてくれたら。そんな叶わず決して埋まらない年齢という差や互いに分からない悩みを抱えながらも、地道に積み重ねていけばいつかもしが本当に覆るくらいにきっと分かり合える、そう思えるくらいにふたりの距離は意外と近い関係なのかなって感じる。いまは自国の言語で訳された本しか分からなくても、いつの日か異国の本を理解できるように時間を重ねて互いの事をゆっくり理解し合っていける関係になれたらいいな、と願いたい。

 

次号予告

次号のきららフォワードは、 単行本第2巻が6月12日に発売! 『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』(betock)が表紙を飾ります! さらに! 巻頭カラーには新連載第2話! 『しゅがー・みーつ・がーる!』(白野アキヒロ)が登場! その他、単行本第13巻が大好評発売中の『球詠』(マウンテンプクイチ)や大好評連載!アネモネは熱を帯びる』(桜木蓮)をはじめ、話題作品が目白押し!! フォワード7月号は5/24発売予定!新生活にも慣れましたか? まだ慣れていない方もすぐに慣れるから大丈夫! 今年の春もまんがタイムきららフォワードをよろしくお願い致します!

引用:まんがタイムきららWeb

次号は第2巻発売を控える『百合キス』が連載を開始した22年7月号以来に表紙で登場、今月号の扉絵情報では1巻の売上が良いみたいなので今後の商業的な展開にも期待がかかってくるだろうか。
巻頭カラーには今月から新連載の『しゅがー・みーつ・がーる!』が登場する。

 

新刊情報

発売中

 

終わりに

きららフォワードは他の4コマ3誌とは異なり読切掲載から連載昇格は例が無い訳では無いが数は限られている。そのうえで再出発という形ではあるが読切掲載から連載昇格まで1年半以上も間が空いた例も、少なくとも令和年間では確認できない。そんな数少ない前例に入るくらいに『しゅがー・みーつ・がーる!』の読者と編集部の期待は大きかったという事なのだろうか。そんな長期の間が空いて連載に昇格した例の他に、先日発売した無印5月号で『かみねぐしまい』が初回から正規連載、28日に発売するキャラット6月号では『たくあかっ!』が新連載表紙と、最近のきららは立て続けに余り例の無い展開をしているように思う。まぁ偶然そういう展開が同時期に集中しただけかも知れないし、展開の意図や真意を知る由など無いが、少しでもより良い方向へと[*22]きららが発展していく切っ掛けになっていけば良いなと思うところである。

 

て事で今回はここまで、次も期待しないでください。

 


脚注

*1:因みに『スローループ』のアニメ化が発表された号である

*2:一応別作品の連載は継続してるので健康問題では無いようだが

*3:18頁

*4:23頁

*5:甘奈

*6:107頁

*7:どちらかというと恋の方が

*8:208頁

*9:前年の9月に未曾有の事態が起きたので…

*10:しっかり服も左前になってるというところまで

*11:262頁

*12:296頁

*13:297頁

*14:307頁

*15:312頁

*16:いくらサキュバスの身体でもこんな事されたら多分普通に死にます

*17:320頁

*18:298頁

*19:https://twitter.com/mangatimekirara/status/1650157328564379649?s=20

*20:322頁扉絵

*21:365頁

*22:何を以ってより良いと判断するかはそれぞれの読者によって異なると思いますが